こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事では「Wi-Fi6」「5G」の違いや特徴を、通信業界で25年の経験を持つプロの目線で初心者にもわかりやすく解説します!
記事前半では「5G・Wi-Fi6の特徴」について、後半では「違い」について解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!
※「すぐに違いについて知りたい!」という方は、「5GとWi-Fi6の違いって何? 」から見てくださいね。
今さら聞けない!5Gの基礎知識
5Gとは第5世代の移動通信規格の事で、スマホやポケット型Wi-Fiで使うモバイル回線の世代を表します。
モバイル通信の主な世代は以下の通り
- 第3世代(3G):iPhoneが登場してスマホでネットを見る時代
- 第4世代(4G):スマホが普及しYoutubeやDAZNなど動画配信やTwitterやLineなどSNSが広がる
- 第5世代(5G):高画質の動画配信やZOOMなどのオンライン会議、VRやメタバースなど仮想現実というワードも出てきた
これまでメインの4G(第4世代)が100Mbps~1Gbpsの通信速度に対して、5Gの場合10~20Gbps程度の高速通信が期待されている。
現在では、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの通信キャリアに加え格安SIM各社でも5Gサービスを提供。
5Gの特徴を解説する前に、混同されやすい表記や5Gの新しいワードについて解説します。
「すぐに5Gの特徴について知りたい!」という方は、「5Gの特徴」から見てください。
5Gと間違いやすい4つの「5G」
通信で利用される似たような「G」の表記をまとめました。
表記 | 読み方 | 意味 | よく見る表記 |
5G | ファイブジー | 通信規格の世代 | 4Gから5Gに機種変更する |
5GHz | ギガヘルツ | 電波の周波数 | Wi-Fiの電波を2.4GHzから5GHzに切り替える |
5GB/s=GB | ギガバイト | 通信のデータ量 | 1日5GBを超えると速度制限がかかる |
ストレージのデータ量 | パソコンにあと5GB容量の空きがある | ||
5Gbps | ギガビット | 通信速度 | インターネットの速度は下り最大5Gbpsでした |
「GB/s」「Gbps」についてよくわからない方は「バイトとビットの解説」もどうぞ。
通信で使われる「G」の表記はこんなイメージ!
- 5G・・・多くの車(データ)が高速で移動できる高速道路(データ通信の道)
- 5GHz・・・高速道路の幅(無線通信の周波数)で数字が大きくなるほど、直線で道幅が広くなる
- 5GB・・・高速道路で荷物を運べる車の総数(データの量)
- 5Gbps・・・荷物を積んだ車がどれくらい速く走行できるか(データ転送速度)
このように5G、5GHz、5GB、5Gbpsは、通信環境を判断する基準でよく使われている。
5Gに欠かせない5つのワード
5Gでは「sub6」「SA化」など聞きなれない言葉がチラホラ。
ここでは周波数帯・基地局で使われる新しいワードについて解説していこう。
5Gでは「sub6」「ミリ波」という周波数帯が新たに割り振られた。
- sub-6・・・3.8GHz~4.1GHzと4.5GHzの周波数帯を利用
- ミリ波・・・27GHz帯の周波数帯で5Gの最大値はミリ波利用を想定している
周波数帯による電波特性で周波数が大きくなるほど、直進性が強く高速になるが、エリアは狭くなる。
5G拡大に必要な「NR化」
NR化とは4Gで利用している一部の周波数帯を5Gに転用することで5Gエリアの拡大を進めている。
5GのNR化イメージ
5Gで繋がるエリアを広げて高速化を図る戦略ですね。
2つの基地局「SA」「NSA」
- SA(スタンドアローン)→ 5G専用の基地局
- NSA(ノン・スタンドアローン)→ 4Gの基地局を5Gと共用
5G専用の基地局に移行することで高速化を目指す。次は5Gの特徴を解説していこう。
「5G」3つの特徴
5Gの特徴は大きく3つある。
- 4Gに比べて、進化した5Gの特徴は、高速で大容量の通信が行える
- 従来のパソコンやスマートフォンの通信から、カメラや温度センサーなど多くの情報端末と同時に通信できる
- 情報伝達のレスポンスが改善され、医療や建設の現場でロボットや作業機器を遠隔で操作が可能。
ここから3つの特徴について解説していこう。
高速・大容量通信
5Gでは4Gの20倍にあたる最大20Gbpsの高速通信を目指している。
高速大容量とは通信速度が高速化することにより一度に大量のデータ通信が行える。
- 4Gの場合、目標値は最大1Gbps
- 5Gの場合、目標値は最大20Gbpsで4Gの20倍にあたる
なんで5Gだと早くなるの?
それは、4Gと5Gでは利用できる周波数が違うんだ。周波数は大きくなるほど道幅も広くなり速度が速くなるんだ。
なりほど。車線が多く道幅も広くなるから、多くの荷物(データ)を積んだ大型車が高速で移動できるのね!
とはいえ、実際には5Gエリアでも電波状況によって通信速度は大きく変化するよ。
強風や大雨の時は速く走れないのと一緒だよ。
実際に4Gと5Gで速度計測した結果がこちら
回線 | Wi-Fi | ダウンロード | アップロード | レイテンシ | 計測回数 |
WiMAX 5G | Wi-Fi6 | 169.4Mbps | 26.6Mbps | 26.3ms | 169回 |
(5G回線) | Wi-Fi5 | 143.2Mbps | 24.8Mbps | 26.0ms | 169回 |
WiMAX 2∔ | Wi-Fi6 | 51.8Mbps | 12.4Mbps | 33.2ms | 118回 |
(4G回線) | Wi-Fi5 | 49.9Mbps | 12.3Mbps | 34.0ms | 118回 |
現時点でも5Gの方が速いのがわかる。
低遅延通信
5Gでは4Gの10/1にあたる1ミリ秒のレスポンスを目指している。※1秒=1000ミリ秒
低遅延とは送信元から送信先に情報が伝達される時間が従来よりも短くなることを指します。
世代ごとの目標値は
- 4G:10ミリ秒(0.01秒)
- 5G:1ミリ秒 (0.001秒)
5Gでは低遅延に向けてデータの梱包と送る間隔を短くしてデータ送信の効率アップ
- パケット(小包)を小さくして、同じデータ量を送れるように工夫
- パケットを送る間隔を短くして同じ時間で多くのデータを送れる
低遅延って具体的にはどういうこと?
例えばスマートフォンでYahooニュースをタップして、表示されるまでの時間を0.001秒で行うんだよ。
現時点では5G本来の低遅延通信を利用できるとはいいがたい。
回線 | Wi-Fi | レイテンシ | ダウンロード アップロード |
5G回線 | Wi-Fi6 | 26.3ms | 169.4Mbps 26.6Mbps |
Wi-Fi5 | 26.0ms | 143.2Mbps 24.8Mbps | |
4G回線 | Wi-Fi6 | 33.2ms | 51.8Mbps 12.4Mbps |
Wi-Fi5 | 34.0ms | 49.9Mbps 12.3Mbps |
実際に低遅延を実現するにはミリ波の展開とコンテンツ処理の高速化が必要となる。
多数同時接続
5Gでは4Gの10倍となる100万台/k㎡の同時接続を目指している。
5Gの多接続とはサービスエリア内に多くのデバイスを配置できることを指し、5Gでは一定面積あたりに配置可能なデバイス数を4Gの10倍を目指している。
- 4G・・・10万台/k㎡
- 5G・・・100万台/k㎡
実際に身近な通信機器で、スマートフォンやパソコン、タブレットの他に、スマートウォッチ、スマートスピーカー、見守りカメラをはじめ、これからAIを使った機器がさらに増えていくよね!
5Gによって、スマートシティやスマート○○というサービスが身近になっていくでしょう。
5G本来の実力発揮はこれから
本来の5Gを実感できるには、まだ時間がかかるでしょう。
実際に5Gサービスはキャリア各社展開していますが、これまでは4G設備を共用して3.7GHz・4.5GHz帯を利用した4Gの延長線上といったイメージで「なんちゃって5G」などと揶揄されていました。
2022年から5G専用基地局を利用したサービスがスタート、2023年にはソフトバンクでiPhoneの5G専用基地局利用など少しずつだが、各社で5Gの取り組みは進んでいる。
引用:総務省 電波の利用状況調査の結果(帯域ごとの5G基地局の整備状況)
今後の展開
- 5G専用の基地局の全国展開
- ミリ波を利用できるエリアを拡大
- 5G対応端末の多様化
- 5Gならではのコンテンツ拡充
といっても世界的にみても5Gのミリ波については進んでいない状況がある。
例えばiPhone14も日本ではミリ波に対応していないのが実情。
引用 総務省 5Gビジネスの展望と今後ミリ波利用について
総務省でも2020年代後半からミリ波の普及も進んでいくと予測している。
Wi-Fi6を徹底解説
Wi-Fi6とは無線LANの第6世代通信規格で「IEEE802.11ax」の別称。
Wi-Fi通信でWi-Fiルーターと子機を繋ぐ無線LANですが、周波数や規格によってスピードが変わってきます。
世代 | 新名称 | 規格名 | 最大通信速度 |
第6世代 (2019年) | Wi-Fi6 | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps |
第5世代 (2013年) | Wi-Fi5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps |
第4世代 (2009年) | Wi-Fi4 | IEEE 802.11n | 600Mbps |
第3世代 (2003年) | ー | IEEE 802.11g | 54Mbps |
第2世代 (1999年) | ー | IEEE 802.11a | 54Mbps |
ー | IEEE 802.11b | 11Mbps | |
第1世代 (1997年) | ー | IEEE 802.11 | 2Mbps |
Wi-Fi世代一覧
Wi-Fiの利用はパソコンやスマホから、カメラやAIスピーカー、エアコンなどの家電にも繋がるようになってきた。
そのため、多くの端末で安定した通信ができるように「Wi-Fi5」から進化した「Wi-Fi6」が誕生しました。
Wi-Fiの名称が違うの理由
同じ通信規格を表す名称だが、団体が違う。
無線LANの通信規格は、アメリカの電気電子学会が国際標準規格をIEEE802.11という規格名で策定している。「11n」「11ac」「11ax」など表記を区別しています。
これに対して、無線LAN=Wi-Fiのように思われがちですが、「Wi-Fi Alliance」という製品の普及を図る業界団体が、端末ごとに無線通信の品質を保証する認証としてWi-Fiマークが使われはじめ、「Wi-Fi4」から認証を受けて表記され始めました。
実際にバッファローやエレコムなど製品パッケージにはWi-Fi6対応の表記はあるが、製品仕様には無線規格「IEEE802.11ax」表記となる。「IEEE802.11ax」と「Wi-Fi6」は同じと覚えておこう。
Wi-Fiは2.4GHzと5GHz帯がある
Wi-Fiの周波数帯は「2.4GHz帯」「5GHz帯」
周波数の特性
- 周波数が大きいほど高速、小さいほど低速
- 周波数が小さいほど障害物に強く、大きいほど障害物に弱い
- 周波数が小さいほど電波を遠く飛ばせ、大きいほど近距離となる
上記の特性を当てはめると
- 2.4GHz帯 アンテナから離れても電波が届きやすいがスピードは遅く、利用機器が多く混雑気味
- 5GHz帯 アンテナ近くはスピードは速いが離れると電波が届き辛くスピードも遅くなる
※最近では6GHz帯のWi-Fiルーターが出始めたが、対応端末が少なく現時点では気にする必要はないよ。
Wi-Fiの周波数を自動車で例えると
- 2.4GHz帯はラリー車:F1マシンに比べスピードは遅いが、障害物や悪路でも前に進める機動力重視。
- 5GHz帯はF1マシーン:直線の高速走行を得意としているが、雨や障害物ではスピードが落ちる。トラブルに弱いがツボにはまると安定して速い速度重視。
Wi-Fi5では高速化を目指し、Wi-Fi6では高速化と安定性を目指している。
「Wi-Fi6」気になるデメリット!
Wi-Fi6には2つのデメリットがある
- Wi-Fi6でも電波環境によって高速通信は出来ない
- Wi-Fi6を利用するには対応機器が必要
2つのデメリットについて深堀していくよ。
高速通信は電波環境しだい
Wi-Fi6といっても、いつでも高速通信できるとは限らない。
電波環境が良くない場所では、通信速度より通信の確実性が優先される。
なぜならWi-Fi通信では、データを確実に届けることが大前提で、且つ可能な限り速く届けることを目的としているからだ。
実際に電波環境が良くない場所では、速度が遅い「Wi-Fi4」に代わっている。
このようにWi-Fi通信では速度よりもデータを確実に届けることが優先されるんだ。
ポケット型Wi-Fiの速度が遅い原因や対処法を詳しく知りたい人は「ポケット型Wi-Fiの速度が遅い原因とは?」を参考にしてください。
Wi-Fi6に対応した子機が必要
Wi-Fi6対応ルーターを利用しても、スマホがWi-Fi5対応ではWi-Fi5通信となる。
Wi-Fi6を利用するにはWi-Fiルータとパソコンやスマホなどの子機と相互で規格を合わせる必要があるんだ。
実際にWi-Fi6ルーター(Speed Wi-Fi 5G X11)の伝送速度は最大1.2Gbpsだが、このパソコンでは、Wi-Fi4対応の為、伝送速度は300Mbpsと下位の規格になるんだよ。
Wi-Fi6対応の機器だが、スマートフォンはiPhone11以降のシリーズは対応している。Android端末ではGoogle pixel6以降やGalaxy、Xperiaなど上位機種では対応機器も増えているが、格安スマホや海外製のスマートフォンはWi-Fi5対応が多いかな。
ノートパソコンならWi-Fi6は対応している機種も多いが、中古パソコンなどはスペックを確認した方が良い。
子機のWiFi性能で速度が決まる
よく分からないんだけど、Wi-Fi機器の箱に下り4.8Gbpsと書いてあるから、私のスマホも4.8Gbpsで使えるの?
よくある質問だけど、答えは「ノー」だよ。母さんのスマホはWi-Fi6対応だけどスマホにもWi-Fiアンテナが内蔵されていて、アンテナの数によって使える速度が違うんだ。
実はWi-Fiの速度は、子機(パソコンやスマホなど)の規格やアンテナ数によって大きく変わります。
- 親機と子機で規格が異なる場合、お互いが対応している規格に下げて通信を行う。
- 親機と子機が同じ規格でも、アンテナ数が異なる場合は少ないアンテナ数の速度となる。
- 例えば最大4.8Gbps(8アンテナ)と謳っている機器でも、下記のパソコン(2アンテナ)では1.2Gbpsが最大値だ。
スマートフォンやノートパソコンでは2アンテナが多く、1台しか使わないのに8アンテナのWi-Fiルーターを選んでも使いきれない。
というわけでWi-Fiを効率よく利用するには、利用する子機の台数やアンテナ数に見合った親機を選ぼう。
Wi-Fi6対応機器の確認方法
製品仕様には無線規格や無線LANインターフェイスの項目で「IEEE802.11ax」と表記されていれば「Wi-Fi6」となる。
Wi-Fiルーター(親機)とスマホ、パソコン(子機)両方の製品仕様を確認しよう。
自分のパソコンがWi-Fi6対応か確認してみよう。
1.接続中のWi-Fiプロパティを開く
2.内蔵のWi-Fiカード「Intel(R) Centrino(R) Advanced-N 6235」の型式をネットで検索
メーカーサイトの機器情報を確認するとアンテナ数と対応してるWi-Fi規格がわかる
- TX/RXストリーム・・・通信経路の数でアンテナ数とも言える
- Wi-Fi認定・・・対応しているWi-Fi規格
残念ながら私のパソコンはWi-Fi4対応で2アンテナでした。
「Wi-Fi6」4つのメリット
Wi-Fi6は4つメリットがある。
- 安定した高速通信
- Wi-Fi6は電波を選んで混雑回避
- 複数端末で同時通信可能
- セキュリティ強化
それぞれのメリットを解説していきます。
Wi-Fi5に比べ通信速度が速い
Wi-Fi 6はWi-Fi 5と比較して、最大通信速度が約1.4倍に高速化されている。
Wi-Fi6では一度に送るデータを効率よく収納して、通信の道を増やし高速化を図りました。
- Wi-Fi5 867Mbps(0.8Gbps)
- Wi-Fi6 1,201Mbps(1,2Gbps)
回線 | Wi-Fi | ダウンロード アップロード | レイテンシ |
5G | Wi-Fi6 | 169.4Mbps 26.6Mbps | 26.3ms |
Wi-Fi5 | 143.2Mbps 24.8Mbps | 26.0ms | |
4G | Wi-Fi6 | 51.8Mbps 12.4Mbps | 33.2ms |
Wi-Fi5 | 49.9Mbps 12.3Mbps | 34.0ms |
実際には普段ネットを使っていて速度の違いを実感できるレベル差はなく、「何となく早くなった気がする」みたいな感じ方だ。一方で大容量のデータ通信では、ダウンロードやアップロードの時間短縮は感じられるでしょう。
データ通信が効率化され、ZOOMなどのオンライン会議や高画質の動画配信サービスなど、今まで以上に大容量のデータ通信が利用されると、Wi-Fiの高速化はさらに進んでいくのも自然だろう。
Wi-Fi6は電波を選んで混雑回避
Wi-Fi6は環境によって、2.4GHz帯と5GHz帯の周波数を使い分け安定したWi-Fi通信を実現。
5GHz帯と2.4GHz帯の電波状況を比べてみると5GHz帯が空いているのがわかる。この環境では混雑している2.4GHz帯を避けて5GHz帯を利用している。
Wi-Fi 2.4GHz帯の電波状況 5GHz帯に比べ混雑していることがわかる
複数端末と同時に通信できる
Wi-Fi6では「OFDMA」という通信技術により複数端末で同時通信が可能となる。
Wi-Fi5:OFDM 順番待ちアリ
(高速で1対1通信を繰り返している)
Wi-Fi6:ODFMA 順番待ちナシ
Wi-Fi6の新しい技術(OFDMA)はこんな効率化を図っている。
- 各端末に最適な通路とデータ量に見合った梱包を指示してくれる
- 送るデータ量によって無駄のない通路をつかう
- 順番待ちする必要がなくなるため、通信時間の短縮
- 通路の間隔や通信のタイミングを調節して干渉が減少
とはいえ、Wi-Fi6も万能ではなく条件によって1対1の通信となる。
具体的には
- 接続する子機にWi-Fi6以外の子機が混ざっている
- Wi-Fiルーターがデータ量や環境を踏まえ1対1通信の方が効率が良いと判断した時
- OFDMA非対応のWi-Fi6対応ルーター
同時通信はメリットの一つだが、常に最速を目指していても消耗が激しいので、適切にという事でしょう。
従来よりセキュリティの強化
Wi-Fi6ではWi-Fi5より強固なセキュリティが特徴だ。
Wi-Fi6は「WPA3」という最新のセキュリティ規格を利用して従来の脆弱性を改善。
WPA3? 何のこと?
WPA3と言われても良くわからないよね!具体的には2つの効果があるんだ。
- 他人がなりすまして間違ったパスワードを何回も入れるとブロック
- パスワードが漏れても通信内容を見られない様に暗号化して「解読できないようにする」
このようにWi-Fi6では、従来の脆弱性を解消し、外部からの侵入や盗聴などに対する安全性・堅牢性を大幅に向上させている。
Wi-Fi6とメッシュWi-Fiの違いを知りたい方は「Wi-Fi6とメッシュWi-Fiの違いからデメリットまで解説!」を見てね。
「5G」と「Wi-Fi6」の違い
「Wi-Fi6」「5G」はどちらも高速通信が特徴ですが、通信相手と契約形態が違う
それぞれの違いを紐解いていこう。
5G・Wi-Fi6の違いは通信相手
5GとWi-Fi6ではデータ通信の親子関係が違う
- 5G・・・(親)基地局から(子)スマホ・モバイルWi-Fiまでデータの送受信
- Wi-Fi6・・・(親)Wi-Fi6対応ルーターから(子)スマホ・パソコンまでデータの送受信
Wi-Fi6は利用する回線によって利用場所は変わります。
- 光回線をWi-Fi6で利用・・・主に屋内利用がメインで子機も多く接続できる
- 5Gなどモバイル回線をWi-Fi6で利用・・・屋内外問わずモバイル回線がつながる場所で利用
5Gを使うなら屋外が良い理由
利用場所は屋内外問わず、5Gの電波が届く範囲で利用できるが、電波特性で屋外の方が障害物も少なく高速通信で利用できる。
上記は800MHzと1.7GHzの比較だが、5Gの場合3.7GHz以降の周波数帯で建物内では速度低下は避けられない。
5GとWi-Fi6は契約形態が違う
実はWi-Fi6を使うだけなら通信機器があれば契約はいらないんだ。
契約いらないならWi-Fi6がいいよね!
確かにWi-Fiの親機・子機で通信は出来るけど、インターネットを利用するには光回線や5Gなどのモバイル回線の契約が必要なんだ。
紛らわしい
逆に5Gを使うにはドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルなど通信キャリアと契約が必要なんだ。
契約すれば5G回線でインターネットやSNSなど工事不要で利用できるよ。
もちろん、Wi-Fi6・5Gともに対応機器が必要なのは言うまでもないかな?
Wi-Fi6と5Gの速度比較
Wi-Fi6と5Gではどっちが速いか気になるけど、そもそも通信の速さって何?
通信の速さとは1秒間に送受信できるデータ量(ビット数)の事を表すんだ。
ビット数?わけわからん?
ビット数とか言われても良くわからないよね!しかしデータを転送する速度の単位には「ビット」「バイト」があるんだ。分かりやすいようにまとめてみたよ!
表記 | 内容 | ポイント |
B/s(Byte per second) バイト パー セコンド | 毎秒転送できるバイト数 主にデータ量を表す 「スマホのデータ量が今月は残り1GB(ギガバイト)しかない」 「この写真データは5MB(メガバイト)ある」 | 大文字「B」はデータ量 |
bps(bit per second) ビット パー セコンド | 毎秒転送できるビット数 通信速度を表す 「Wi-Fi6は最大9.6Gbps(ギガビット)だ」 「速度制限で下り1Mbps(メガビット)でてないよ」 | 小文字「b」は通信速度 |
Wi-Fi6と5Gの理論値で速度を比較
- WiーFi6は1秒間に9.6Gbps = 1秒間に1.2GBのデータ量を伝送できる(目安:写真データ約300枚位)
- 5Gは1秒間に20Gbps = 1秒間に2.5GBのデータ量を伝送できる(目安:写真データ約625枚位)
数字だけで比較すると「5G」の方が約2倍以上の速度だが、実際にはどこで使うかが重要になる。
5G・・・5Gの基地局から電波の減衰が少ない屋外通信が得意
Wi-Fi6・・・Wi-Fiルーターは屋内の密集した空間で本領を発揮
まとめると、屋外で使うなら5G、屋内や複数端末で利用するならWi-Fi6を組み合わせた方が良いだろう。
Wi-Fi6と5Gの関係性
5GとWi-Fi6はパートナー関係で単体で使うより組み合わせるのが重要だ!
実際に私も外で仕事をする事が多く、5G回線のルーターとしてWi-Fi6対応ルーターを使って重宝している。
5Gは光回線と同様に高速回線なので、1台より複数台で使う方がメリットがあると思いませんか?
私の使い方
WiMAX5Gを契約して、SpeedWiFi X11(Wi-Fi6対応ルーター)で5G回線を利用して、パソコンやスマホ、タブレットで利用
※パソコンはWi-Fi6対応のUSBアンテナで対応
複数端末で利用する場合、以下の組み合わせがおすすめ!
- 屋内で利用・・・光回線∔Wi-Fi6対応ルーター
- 屋外で利用・・・5G回線∔Wi-Fi6対応モバイルルーター
Wi-Fiはなくならない
5Gエリアが広がったらWi-Fiって必要ないんじゃない?
確かに「ミリ波」が屋内外で使えるようになると・・・
それでもWi-Fiがなくなるとは思えないな。
実際にWi-Fiがなくなると・・・上げたらきりがないが
- iPadのWi-Fiモデルがなくなる?(笑)
- ネットやSNSを使うには端末ごとに回線契約が必要
- 社内のノートパソコンは有線LANに逆戻り?
- 契約プランによっては、データ超過や速度制限、追加料金発生など
すでにWi-Fiがない生活は想像できないくらい普及しているのが答えでしょう。
Wi-Fi6は意味ない?
Wi-Fi6を解説してきたが、焦って切り替える必要はない。
なぜなら利用機器や環境によってWi-Fi6を必要としないケースがある。
ここからはWi-Fi6をおすすめしない人・おすすめな人を解説しよう。
Wi-Fi6をおすすめしない人
- 今の通信環境に満足している
- Webサイトの閲覧やメールのみであまり速度を気にしない
- Wi-Fi6対応ルーター及び対応の子機を利用していない
- Wi-Fi環境が良くない(建物構造や電波が混雑している)
- 常にWi-Fi6のMAX速度を体感したい
- そもそもWi-Fiを使っていない→有線LAN (オンラインゲームなどレスポンス重要視)
このような場合は、費用をかけてまでWi-Fi6にする必要はないでしょう。
Wi-Fi6がおすすめな人
- Wi-Fi6対応の子機を利用している
- 複数端末で高速通信を利用したい
- Wi-Fiルーターが古くなって買い替えを検討中
- ホームルーターやポケット型Wi-Fiの契約を考えている
- 無線LANで高画質の動画やゲームを楽しみたい(レスポンスにはこだわらない)
このような方は、Wi-Fi6のメリット・デメリットを比較検討してみよう。
まとめ:5GとWi-Fi6は用途が違う
今回は、「Wi-Fi6」「5G」の違いについて解説しました。
5GとWi-Fi6はパートナー関係にあり、今後もWi-Fiはなくてはならない存在です。
今後も「5G」の普及は進み、Wi-Fiの高速化も進んでいくでしょう。
「5G」「Wi-Fi6」を上手く組み合わせて通信環境を見直してみてはいかがでしょうか?